俺は此処に居る

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末次由紀氏について

漫画の表現盗用、2chの指摘で絶版・回収に (yahooニュース)

今現在編集中のラジオで俺はB'zとケツメイシのパクリについて語っている。ただ、ここ読んでくださる方ならご理解いただけると思うが、パクりについて俺は「どうだ!気が付いたぜ!」っていうダメヲタの楽しみとしてやっているだけであって、それによって「あの作家はダメ人間だ」と人間性や新たにできあがった作品まで貶める気はサラサラない。つまりは世間話なネタにすぎないし、それによって作家が何を書こうが儲けようが構わないし、現実的に好きなものを模倣したり影響されたりする事はなにかしらモノを創る上では大なり小なりある事だと思うからだ。

ここで今回の末次由紀氏の話になる。俺は氏の漫画を読んだことがないので、あくまでアマゾンの書評等から作品の内容を考察するしかないのだが、今回言われている漫画「エデンの花」は兄妹間の許されない恋物語のようで、「君の白い羽根」は天使と人間の関係から人生について考えるストーリーに感じた。*1そしてこの作品らに異論を唱えておられる方の指摘点は、スラムダンクへの絵柄トレス問題と一部スト−リーが「電車男」っぽい展開があることらしい。

検証サイト*2を見せていただいたが、確かにトレスはしていると思う。写真もトレスだと思う。だからといってソレによって「漫画」の作品性が問われるべきなんだろうか?確かに一部バスケシーンはトレスかもしれないが、スラムダンク*3と全く同じコマで同じ絵柄で同じストーリーなのか?また同じ意図として用いられたものなのだろうか?ストーリーを書評でみる限りではあるが、どうみてもスラムダンクと同じ系統の作品とは思えない。ただ、「一部」絵がトレスされただけの話にしか感じない。その「一部」で作品の絶版やこれから氏が生み出すであろう作品を潰すなんて事があっていいのだろうか?こんな流れが著作権法の第一条に謳われている「文化の発展に寄与すること」なんだろうか?また、井上氏や写真家等パクられた著作者が訴えるのなら法的にも正論だと思うが、大騒ぎしている「一部の」2ちゃんねらー達には当然ながら訴える権利がない。

俺が危険に思うのは、先ののまネコ問題も効いているからとは思うが、こういった「祭り」で法的検証がなされずに出版社側が(言論の)暴力に屈している事だ。裁判や法的な議論(この場合、関係作家や関係出版社間)をなされた上で理性的に判断対策されるのではなくだ。また、「一部」が魔女狩り的な個人作家批判になっている事だ。それには未来的志向がなく非常に視点がミクロで無意味な行動だ。それを行う事によって何か人類的に利があるというのかと問いたい。文化的な発展や今後の事を真摯に考えるのであれば、今後の著作権法のあり方について議論することが必要なのであって、個人攻撃ではないはずだ。クリエイター的私見*4でいうならば、現行の著作権法はもはや現状にそぐわない物になりつつあると思うし、現行法規が自由な創作を阻害するのであれば改正していくべきだと思う。

タイムリーな事に「ゲームラボ」11月号に小倉秀夫弁護士*5が「知的財産権は新たな作品の創造を阻害するのか?」という記事を寄稿されている。氏は結びで「知財立国、コンテンツ立国を本気で目指すのであれば、若いクリエイターたちがその流儀で作品を創作するためには、どのような行為が自由に行われることが必要なのかを、政策立案部門の人々あるいは権利団体の人々が、若いクリエイターたちから意見聴取することから始める必要があるのではないかと思うのです。」書かれている。もう一度言うが、我々が今やるべき事は「たかだか一部の類似した構図から個人批判をし、一人の作家を「祭り」の生贄にし作家生命を絶つこと」ではないはずだ。

*1:純粋なファンの方には申し訳ない。あくまで書評から感じた程度の印象なので。

*2:要は「まとめサイト」だ・・・

*3:ちなみに俺は全巻持ってる。

*4:クリエイターと自称させていただけるのなら・・・。

*5:今回の件について、是非氏をはじめ法曹関係者の考えが聞きたいと思う。