俺は此処に居る

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世界はネットより広い

非実在青少年条例関連で猪瀬直樹が松山せいじを名指し批判(にゅーあきばこむ)
BSフジの都条例改正案議論番組の生放送でエロ漫画が紹介される(カオスな情報置場)
遅まきながら現東京副知事猪瀬直樹氏がテレビ出演にて話題の非実在青少年関連について語ったという事で様々なブログで話題にされていた。僕は番組をリアルタイムで見ることができなかったので番組サイトの録画ダイジェストで視聴することにした。

「文学と違って、エロばっかり続くような漫画は低レベルだから表現物とは言えない。こういったものは子供が手に取れる所に置くな!(キリリッ」

僕の記憶が正しければ少なくともダイジェストではこの発言は確認できなかったと思う。*1猪瀬氏は番組内で「表現の自由を制限するのではなく販売の制限である」という事と「出版はしても良いが、低年齢層が手に取れる所に置くのはいかがなものか」という事、また里中氏が指摘した「背伸びして性的な事に興味のある少年」についても肯定しており「手軽に手に入る現状がおかしい。お兄さんの部屋から拝借するとかそういう苦労をして覗くものだった」とすら述べていた。*2ここで重要なのは、あくまで販売の制限に過ぎず、表現や出版を制限するものではないとハッキリ公言していた事だ。しかも現職の副知事がテレビ放送で公言しているのである。これはあとからどうこう言えるレベルではないので、猪瀬氏が責任を持って発言した言葉であると僕は認識した。
猪瀬直樹のエロ規制発言に「奥サマは小学生」作者激怒(すごもり)
今回の都の条例は、児童ポルノ規制を隠れ蓑にした、メディアへの政治介入に、検閲に情報統制、治安維持法そのものなのでは??(アホでマヌケなオタクのそっくりさん)
そのテレビ放映上で例示された書籍が数点あったのだが、先に紹介したブログでも指摘のある通り一般向け書籍の販売規制の話で「18禁指定」されている書籍を出すのは例示としては不適切であると思う。ただしこれは本当かどうか確認する術はないのだが、猪瀬氏は番組内で「普通の書籍と同じ棚にあった」的発言をしていた。そう考えれば指定はされているものの、販売店側のモラルや知識が欠如しているのではないかという事になるのではないだろうか。*3
あと18禁指定ではなく一般書籍となっているものの例示された書籍の作者のTwitterコメントを本人がブログにまとめたものを引用した。*4先の紹介ブログでは「絶版」とされていたが絶版だからとて、この書籍が一般向けとして販売されていた事実には変わりはないと思う。その内容であるが、過去に発売時に紹介されていたサイトがあったので参考にされたい。
ほきゅ〜ぶっし(あきばらいふ)
さて現物を見てみてどう思うだろうか。作者はTwitterにて「ギャグ」「冗談」とコメントしているが、これが世間のおたく以外が視聴した場合ギャグとして通用するだろうか?僕には少なくとも眉をひそめるのではないかと思う。事実、作者も「お上が眉をしかめるようなもの」を目指したとコメントしているし、先ほどの漫画感想サイトでも「これだけ見ると普通に成年向け」「いや十分犯罪だろw」と感想を述べている。如何にギャグであろうとも性的にそういう物を想起させる物を一般で販売するのは何も変わらないのでは?と僕は思うのだ。私的な話で申し訳ないのだが、過去のラジオ番組でデーモン小暮オールナイトニッポンという番組があった。デーモン氏は最終回に「放送禁止用語というのがあるけれども、例えばおめちょと言った場合、放送コードには引っかからない。だけれどもそれはそれを意味している事はリスナーには伝わる訳で言った事と同じなのだ。」と述べていた。この件と僕には全く同じに感じるのだ。「これはバナナです」「これは練乳です」と言ったとて18歳未満禁止コードには引っかからないかもしれないけれども、それを描いたことと同じなのではないだろうか?作者氏には悪いが逆に言うとこうした抜け道のような事を多数の作家がしてしまった為に今回の条例の話が出てきたのではないだろうか。
なお番組は反対側として里中氏が出演されていた訳だが、どうにも論拠に乏しく残念な気持ちになったのが素直な感想だ。先の書籍を指して「こういう本は小学生でなく中学生以上が読む」と発言されていたが、その根拠は提示される事はなかった上にそもそも中学生は紛れもない18歳以下である。里中氏らが言う「今までどおり都が不健全書籍を指定する方式でよく、今回の条例制定は不要」という論だが、現在の方式で指定が厳格化された場合、都が不健全だとしてなにもかも指定するという危険性を危惧しないのだろうか?この説明だと逆に条例化の方がまだ安全に感じてしまった。正直な所、番組の場はデータであるとか論拠を確実に提示した猪瀬氏に完全に掌握されていたと思った。
僕はもはや反対の意を表明する事すら考えるようになった訳だが、このような言い訳や根拠やデータに乏しい論理がネット外・おたく外の世界に到底通じるとは思えない。ネットだけを見ていると世界は反対派の方が多く感じるだろうし、何よりこのような言い訳が正当に聞えるかもしれない。しかし残念ながら世界はネットより確実に広い。この番組を見てそうしたネット外・おたく外の人達の共感を得られるかといわれれば、残念ながら僕は難しいだろうとしか言えない。反対をするのならネットの外を見るべきではないだろうか。現実から乖離していては彼らの賛同を得る事はできないのではないだろうか。

*1:もちろんライブでは発言されていたのかもしれない可能性もあるが。

*2:発言を僕が要約しているので、原点を当たりたい方は公式サイトの録画を視聴する事をお勧めします。

*3:もちろんレジ等にて年齢確認等最終確認をした上で販売店が販売しているのであれば、多少問題は軽減されるだろうけれども。

*4:Twitterのコメントは残念ながら消滅していたと思う。僕が追いつけなかっただけという可能性もあるのだが。