【少女☆歌劇 レヴュースタァライト 第8話 感想】それでも私は
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」8話、各方面で絶賛されているようです。作画的にも7話は止めの演技で枚数を減らした分、8話に動画を割いたと監督さんが発言されているように、相当気合の入った回でした。見応え十二分!
第七話は動画枚数3000枚以下なのは当然として、2000枚くらいで作りたかったですね。多分2300枚くらいじゃないかと。最近の深夜アニメの半分くらい。
— 古川知宏 (@TOPPY1218) 2018年8月30日
「止メ」でもつのは、キャラクターデザインの良さと美術色彩音楽がバランス良いからですね。八話に向けて「圧縮」の話数でした。#スタァライト https://t.co/I9W3hjtWTs
8話は神楽ひかり回。ひかりが英国留学中にどうしていたのか、そうしてどうなったのかの前半部分。それをふまえて現在どう戦うのかというのが後半部分でした。
これは舞台版でも純那に指摘されていたことですが、ひかりにはキラメキがない。そのキラメキが失われた経緯が明らかにされた前半。予告で想像できたようにロンドンで偶然?キリンオーディションが行われ、それに参加し、不合格になったためキラメキを失ったひかり。
予告感想でも書きましたが、ひかりの上掛けが一人だけ青い、短剣という不利な武器、そしてカリキュラスブライト(輝きの種子)という武器名から、英国時代赤い上掛け、長い剣である事は明白だったと思うんです。ただ読めなかったのは「8話ではばななには勝てない」という所。このギミック、最終回で華恋と共闘して取り戻すことで赤に変わり剣が元の形に変化すると思っていました。ここで短いまま進化させるのか!
ロンドン時代ではキラメキを失った後、やる気を失ったひかり。「奪うか奪われるか」というキリンオーディションの詳細を知ったひかり。挫折感から芝居を投げ出し、剣を上げることができなくなったひかり。
そんなひかりが華恋の「ふたりで合格すればいい」という自分には想定外の発想で、挫折から立ち直り、ふたたび剣をあげ華恋と共に立ち向かおうと変化した。この変化が「キラメキの再生産」を引き起こしたと言えるでしょう。震える切っ先がばななに上向くところはまさにその気持の強い現れでしょう。
幼少期にお互いスタァになるという運命を交換したふたり。キリンの言葉から想像するに、オーディションの失格者はおそらく全てのキラメキを失うのだろうと思います。キリンはだからこそ、全てを失ったひかりに短剣程度とはいえキラメキを残せたのは予想できなかった。この残されたキラメキこそ華恋へのわずかな思い、運命の交換分であったのではないでしょうか?
ただ唯一まだ残る謎としては、ひかりの武器と上掛けの色についてはともかく、ロンドン時代と現在では上掛けのかける左右が逆なのです。いや正確に言うのならば衣装が左右逆版なのです。左利きであることには変更がないため、これは意図的に左右逆版にしていると思われます。ここにどういう意図があるのか?
武器の長さはキラメキの象徴、上掛けの色もまたキラメキの象徴。であれば衣装もまたキラメキの象徴であるはずと考えると、なんらかでキラメキの逆転があった?ロンドン時代で既に運命の交換はできている状況。のこされたキラメキが華恋のおかげと推察すると、華恋のもう片方、右のキラメキ部分?ここはいろいろ考えてみたのですが、まだ自分なりの考察が至りません…
7話8話で狂気のように描かれたばなな。「奪うか奪われるか」という悲劇を止め、永遠に楽しかった99回聖翔祭をくりかえしていたばなな。何度も繰り返しなんでも知っているばなな。みんなのお母さん的存在というのも間違いではなかったわけです。この狂気も母性的な愛だったのではないでしょうか?
キリンオーディションはまだ終わりではないので、ばななの思いと過去への回帰はもうないとは言い切れません。同率4位になった華恋とばなな。メガミマガジンの構成脚本の樋口氏へのインタビューによると7~9話は「なな編」とのこと。
・Megami MAGAZINE 2018年 10 月号 [雑誌]
今回のメガミマガジン。メガミマガジンだしキャラ的な取り上げなんだろうなと期待せずに読んだものの、スタァライトの記事だけはかなりの伏線回収や今後の展開も予想できそうなインタビューも多くて、これは買いでした。スタァライトファンなら読む価値がありますね。
本当の意味で9話にてばななは救われるのか?「それでも私は、華恋と」と覚悟を決めたひかり。その覚悟の真意は?9話がますます楽しみになってきますね!