【少女☆歌劇 レヴュースタァライト 第11話 感想】砂漠の薔薇
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」11話。予想をしていたとはいえ、ひかり推しにはかなり心が痛い回でした。
おおかたの予想通り、キリンオーディションに合格したひかりは消えてしまうのですが、過去の合格者のようにライバルからキラメキを奪う選択をしませんでした。過去に自分が奪われた時は、奪った者は消えることはなかったのですが、奪わなかったひかりは消えてしまいました。現実では退学あつかいになってしまうひかり。
華恋は必死でひかりのゆくえを追うんですが、全く手がかりすらつかめません。この過程でひかりのシンボルともいえるひかりが大好きなMr.ホワイトがでてくる度に本当にいなくなったんだという感じがしてつらくなりましたね。またそれを思う華恋の気持ちを考えると相当つらい…。
華恋はその寂しさをまぎらすためなのか、ひかりを身近に感じたいためなのか、ひかりがロンドンで購入したスタァライトの英語原本を翻訳しはじめます。結果、舞台版でもアニメ版のいままででも語られてこなかった戯曲スタァライトの結末が明らかになります。主役クレールは星を摘もうとした罪のために塔に幽閉されることとなった、そこからひかりは罪人となって塔に幽閉されているのでは?という華恋の推理につながるわけです。
つまり第9話ではひかりは華恋に正確な訳、もしくは結末を説明していなかったわけです。この時から、ひかりはキリンオーディションに万が一華恋の言うように2人で合格とならなかった場合はこうしようと決めていたのではないだろうかと思うんです。ひかりはこの場面でもクレールの強さに強い共感を示していましたから、クレールの生き様を選んだのでしょう。
この回の演出は原本の部分だけでなく、演出面でも脚本面でも過去10話を振り返って、それをふまえて先に進むように構成されていました。冒頭から1話の塔落下と同じ構図。
ひかりを探す日々で同じく1話の冒頭のおはようシーン。
まひるが思い起こす時に第4話のMr.ホワイトとくらげを 逆アングルから。これは意図的に逆版にしたのでしょうか?
そして推理から華恋はひかりを救い出しにキリンに立ち向かわんとするのですが、もちろんこれは 第3話のひかりが華恋を救わんと立ち向かったことそのもの。かつて救おうとしてくれたひかりを華恋が救おうとしているんですね。無理だとわかっていても奇跡を信じるフローラの勇気にたどり着いたのかもしれませんね。
キリン劇場までの道のりはかつてひかりが華恋を救わんとかけていった道そのものです。第3話とくらべると天井渡りの道が平坦になっていますね。これは華恋は拒否されていないという事をあらわしているんでしょうか?
ここでかかる曲が「舞台少女心得」!第10話が「star divine」だったわけですが、この順番、本当の最初のCDプロローグの曲順のままなんですね。
・「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」1stシングルCD「プロローグ -Star Divine-」
この道すがら他の7人が華恋に思いを託すところはグッときますよね。それぞれがこれまでのいきさつを思い起こすような事を話しているのがまた良いんですよ…
そしてたどり着いた先には…
長い間連絡をとっても反応のなかったひかりのスマートフォンが。堰を切ったようにいままでの華恋のメッセージが急に流れる。思うに物理的な電波が届かないとかそういった事ではないと思うんですよ。最初からアンテナMAXでWi-Fiついてますから。おそらくここまでたどりつけてはじめて疎通できた、あきらめずにフローラのように勇気をもって飛び込めた。だからここでやっと疎通できたと理解していいんじゃないでしょうか?
それをあらわすかのように、華恋が手にしたひかりのスマートフォンは手元までくるとチケットに変わっています。
「聖翔音楽学園第99期生!出席番号1番!愛城華恋!入ります!」
ひかりが幽閉されているであろう星摘みの塔に華恋は飛び込みます。第1話冒頭のようにまったく同じ構図で歩む華恋。むかう星摘みの塔はまるで棺桶のように不気味。星摘みとは星罪だったのか?
「覚えているよ…あの約束のこと…」
このひかりの言葉。先程の華恋が最後に送ったメッセージの返答になっているんですね。と考えると、やはりあそこまでたどりついてはじめて疎通できたのではないかなと。そしてこの景色は…
EDCD「fly me to the star」のジャケ裏の景色だったんですね…
さて来週はいよいよ最終回。泣いても笑ってもアニメ版のラスト。奪わなかった者が選んだ運命の舞台とはなんだったのか?華恋とひかりは一体どうなるのか?そして来週は残された曲「願いはひかりになって」がかかるのか?もう終わってしまうのかという残念感と、はやく最終回がみたいという期待感で滅茶苦茶になっていますよ!